三山ひろし

(C)UTANOTECHO Inc.

※本インタビューは、「歌の手帖」2018年10月号収録の文章を当時のまま掲載しております

10周年
命の時間を、同じ気持ちで… 三山ひろし

さぁさぁさぁ!夏も終盤、暑さ疲れに効く♡ビタミン王子の登場! 今年は10
周年ということで、初リサイタルや2度目の座長公演、コンサートツアー、さら
にCD全集「三山ひろしの世界」発売と、鳴く蝉も笑いそうなほど例年に増しての
大活躍ぶり。充実感あふれる、もぎたてのビタミンスマイルをどうぞ─♡

(撮影/島﨑信一)

地味でしたか?

三山ひろし

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■まだ記憶に新しい、6月18日と19日の2日間に亘って開催した初めてのリサイタル(明治座/9月号掲載)。
常に「お客さまのご期待の半歩先にいきたい」と言っている通り、まさに有言実行、初めて、ちあきなおみナンバーを披露するなど新たな一面も魅せてくれた。


三山さんが、ちあきなおみさんのナンバーを唄われるとは「事件だ!」という感じだったのですが(笑)、これまでとは違った聴き心地で特に、『冬隣』がとても沁みました。

「いい歌ですよねぇ。僕も大好きな歌ですので、唄ってみたいと思っていました。
またひとつ夢が実現しましたがまだまだ、ちあきさんの歌にもたくさんいい歌がありますので、これからも唄っていきたいです」


昔から、ちあきさんがお好き…でしたか?

「もちろん、知っていましたが …あまり女性の歌を聴いてこなかったものですから。
それがある時、『男の友情』を唄われているのを聴きまして、涙してしまったんです。
女性の唄う男歌が、男を泣かせる…これはすごいことだ、どこを学べばいいのだろう、と。
感動した後に、考えました、悩みました。
いきつくところは、歌声なんですけども。
10年目の新しい挑戦でした。
これからも、もっともっと歌詞を身体に入れ込んで唄っていきたいですね」


期待しています。そして、7月には大阪新歌舞伎座での2度目となる座長公演を大盛況のうちに終えられて。

「そうなんです! ありがたいことです。
2回目ですので前回よりも少し、気持ちを落ち着けることができました。
座長公演とはいえ、素晴らしい役者の皆さまとご一緒ですし、今回もお一人おひとりが光るように…そんな舞台になったと思っています」


そして、ショーでは幕開けの長編歌謡浪曲からラストの金銀煌びやかな姿まで…聴き応え、見応えたっぷりでした。

「ありがとうございます!ラストの衣装はちょっと地味でしたかね?(笑)。
普段よりも〝増し増し〟で頑張らせていただきました。
バンドの〝スリーマウンテン〟の皆さん、篠笛奏者の佐藤和哉さん、照明さん、大道具さん、スタッフの皆さん全員で作り上げたステージですので、来てくださったお客さまが笑顔になってお帰りになる…それが、一番うれしいことでした。
握手会の時にも〝よかったよ〟〝楽しかった〟と言っていただけて、ああ、一生懸命務めてよかったなぁと。
そうそう、ステージ上で毎回、けん玉検定していた佐藤さんが見事1級になったんですよ!」


おお! 三山さんのまわりは上級者が着々と増えていますね。
そして同じ舞台を、愛知・御園座でも上演されるんですよね。

「新しくなった新劇場に立たせていただけること、自分自身でも楽しみにしているんです」


ステージ上では、西日本豪雨による被害に遭われた方々へのお見舞いの言葉もおっしゃっていました。

「はい、どうしてこんなことに…とても悲しいですし、胸が痛みます。
これ以上、何も起きませんように…1日も早い復興を願っています」

三山ひろし

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ひよっ子なのに…


改めまして、10周年おめでとうございます。
半分以上が過ぎましたが、例年以上に濃厚ですね。『いごっそ魂』もヒット中ですし。

「応援してくださる皆さま、スタッフの皆さんのお陰です。
まさに魂を込めて唄っております、『いごっそ魂』。
敬愛する坂本龍馬さん、そして愛する故郷の歌ですから。
これからも、たくさん聴いて唄っていただけたら、うれしいです。
ステージは、お客さんとともに楽しい1日にしたい…その思いは変わらず、いえ濃くなっていますね。
コンサートですと、約2時間。
お客さまお一人おひとりの大切な〝命の時間〟をいただいているわけです。
命には限りがあります、その貴重なお時間を…ですので、自分も命を燃やして、皆さんと同じ気持ちで過ごし、いい想い出にしていきたいなぁと」


命の時間、確かにそうですね。
三山さんの時間に、無駄はなさそうですが(笑)。

「「そうですか?(笑)。まぁ、何もしていない時間はないかもしれないですね。オフの時でも…」


竹とんぼを作ったり、包丁を研いだり。

「いいですよ~、こう集中して包丁を研ぐと心も磨かれますから」


包丁研ぎの詳しいお話はCD全集「三山ひろしの世界」(ユーキャン)の鑑賞ガイドのインタビューに…と、さりげなく宣伝を挟んでみま
したが(笑)。
CD10巻161曲の大全集とは、素晴らしいですねぇ。

「すごく嬉しいです!
まだたったの10年のひよっ子ですし、まだまだの若手ですの…立派な全集を作っていただいて、感謝感動しています。
宝物、家宝にします。昭和の流行歌をたくさんカバーさせていただいたことで、こうして全集を作っていただけた…唄ってきてよかったなぁと。
この全集、自分の歌がどうこうということよりも、いい歌がたくさん入っていますので、ぜひご家族のコミュニケーションツールとしてもご活用いただけると、嬉しいですね。
ご家族で聴いていただけたら、会話も弾むと思うんです。
皆さま、一家に1セット、どうぞよろしくお願いします!」

三山ひろし

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撮影会では…


最近はやられていないと思いますが、三山さんのCD購入特典撮影会ではどんな様子でしたか?
ファンの方の肩を抱いたり、腕を組んだり?

「いえいえいえ、もう恥ずかしくてですねぇ…(赤面)。
いやもう本当に、横に並ぶだけで精一杯、肩を抱くなんて …どうしていいのか…(笑)」

手でハートを作って撮りたいです!と言われたら?

「手で…ハート? 作れるんですか?
見本を見せてください…ああ! ありますねありますね、知ってます、こうですよね?」

三山ひろし

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無理を言ってすみませんでした(笑)。
さて、今年残り約4ヶ月。どんな気合いで進みましょう?

「そうですね、記憶と記録に残したいです。
座長公演をみなさんのお心に残せるように、そして記録は、昨年の中野サンプラザでのコンサートをDVDとして記録に残したい…とこれは、発売しております(笑)。
こちらが何かのランキングで1位になったと聞いたときは、やはりとても嬉しかったです。
自分ひとりの力ではなく、皆さんのお力と応援のお陰ですし、皆さんがご自宅でも聴いて、観てくださっているんだなぁ…と。
ありがとうございます、の気持ちでいっぱいです。
今年後半もビタミンボイス!で、皆さまとともに楽しい時間を過ごせるよう精進してまいります!」

三山ひろし

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編集後記

■酷暑中でも、とても爽やかな佇まい。
撮影中にはざっくばらんに、けん玉や高知の話もあれこれ聞かせてくれた。
9月19日には座長公演を終えたばかりの御園座にてリサイタルを開催、コンサート日程も明記しきれないほどぎっしり。
包丁を研ぎつつ心も研ぎ澄まして、全国を駆け回る─。

※本インタビューは、「歌の手帖」2018年10月号収録の文章を当時のまま掲載しております

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