(C)UTANOTECHO Inc.
※本インタビューは、「歌の手帖」2020年1月号収録の文章を当時のまま掲載しております
スラリとした華奢な身体から放つ、骨太でパンチの効いたハスキーボイス。
吉幾三を師匠に持つ、演歌歌謡界・期待の若手筆頭のひとり、真田ナオキ─「絶対に大スターになる」期待を込め表紙・巻頭に初登場!
レコード会社移籍第1弾『恵比寿』発売を控えた“ナオキのホンキ”を訊く。
ヘア・メイク/高野雄一 撮影/島崎信一
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真田ナオキプロフィール
1989年12月22日生まれ。埼玉県さいたま市出身
O型。身長177センチ
趣味/野球
スポーツ/空手初段、ゴルフ
2016年4月27日、『れい子』でデビュー
以降、『別れの夜明け』『酔いのブルース』
テイチク移籍第1弾の新曲『恵比寿』を来年1月22日に発売する
後押ししてくださった
ファンの皆さん
■どんな現実や言葉もきちんと受け止め、真摯に真っ直ぐ、歌の道を歩んで3年半。もうすぐ30歳、現在の心境は─。
あの拍手を超えたい
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20代ももうすぐ終わりですね。
「徐々に〝30代になるんだな〟と実感が湧いてきているところです。年齢より上に見られたいというか…なので、30代に入るのがとても嬉しくて。ここからが本当の男として…人として自分を磨いて、しっかりとした大人にならなくては…」
今一度、歌手になったきっかけからおさらいすると、東日本大震災の時に歌の力に感動して…と。
「はい、臼澤みさきさんの歌をテレビで聴いて、歌の力に心底気づかされました」
元々は綺麗な声だったけど、歌手を目指すにあたり海へ通って発声したり、血が出るほどの練習をして今のハスキーボイスになって。そして、吉幾三さんにお会いする機会に恵まれ、2016年4月に吉さん作詞・作曲の『れい子』でデビュー。当時は、あまり仕事がなかったそうだけれど売上げは1万5千枚超えの好成績に。
「ファンの皆さんが後押ししてくださったんです。皆さんには本当、感謝しかありません。大好きです!僕も1枚でも手にとっていただこうと必死で、休みがあればカラオケ喫茶等に飛び込んで、名前だけでも覚えていただきたい、あわよくば歌も…と」
2作目『別れの夜明け』では、活動の場も広がりました。
「この曲が出た後、〝新・BS日本のうた〟で『あなたのブルース』を初めて唄わせていただいたんですけど、唄い終わった瞬間、ぶぁあああっとお客さまからの拍手が凄くて。まだ、あの時の拍手を超えられていません。いつかあの時以上の拍手をいただける歌を唄うこと。それが自分の目標の一つでもあります」
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続いて『酔いのブルース』。前作から約1年3ヶ月と少々時間が空きました。「その待っていた時間があるからこそ、とても素敵な作品『酔いのブルース』をいただけて。すごく格好良くて好きな世界だし、お客さまと一緒に乗れる歌というのが初めてで、客席と一体になるというのはこんなに楽しいんだなって実感も出来ました」
ライブツアーも行いましたし、アルバムもリリース。
「初体験をいっぱいさせていただけた作品だな、と。もちろん、まだまだ経験していないことばかりなんですけど。スケジュール帳が(仕事の予定で)真っ黒になる!という経験も(笑)。楽しくて楽しくて、毎日唄えることがこんなに楽しいなんて!と。ステージの上で死ねたら本望!という気持ちなんです。でも、まわりの方々は困っちゃいますよね。あはははは。そのくらいの気持ちです。歌のためだけの脳になりたいくらい」
変わったこと
着実にステップアップしてきたナオキくんですが、ご自身で「一番変わったな」と思うのは?
「うーん…………自分ではよくわからないのですが、〝もっと笑って〟とは言われなくなりました。自然と笑えるようにはなったのかな、と。あ、そうだ。最近、目にしたんですけど、純烈さんのリーダー(酒井一圭)がSNSで〝成長しろ、変われって言うけど、変わらない成長もある〟と書かれていて。とても深い言葉だと、心打たれて。無理して変わらなくてもいいんだなぁって」
師匠の背中
最近、悩みがあるとか?
「歌について、悩みます。このままでいいのか…と。もっと歌の本質を磨きたいですし。とても難しいことなんですけど、師匠(吉幾三)に憧れて…というのが強いです。譜面に追われず、しっかりと唄われていて。すべての歌に心があって、憧れます」
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異なる3曲
改めて、レコード会社移籍、おめでとうございます。移籍第1弾『恵比寿』が2タイプ(東口盤・西口盤)で来年1月22日に発売となりますね。それぞれのカップリングが『我が身恨んで』と『昔に…誘われて』。
「今回もすべて、師匠が作詞・作曲してくださいました。毎回思うのは、師匠の歌、吉メロディーは難しい…本当に難しいです。まだ自分のものに出来ていない感覚です。『恵比寿』は、前作『酔いのブルース』路線なんですけど、また違う難しさで。歌詞は、2人で逢っている時間は楽しもう!という愛し合う幸せっぱいな2人の世界です。純愛モノですね。『我が身~』は、暗めの歌です。師匠が、僕の人生…って、まだ歳ですが(笑)…、それまでの生きざまに色をつけて書いてくださって。ただ多分、僕の人生というか、師匠の半生っぽいんですけど(笑)。『昔に~』は、東日本大震災の時に書かれたそうです。故郷への想いを明るく唄って…フォークソング調の歌。まったく違ったタイプの3曲を書いていただいて、幸せです」
いろんなライブ
あと1ヶ月ちょっとで2020年になります。どんな夢を?
「ライブをたくさん、やりたいです! 新しいこともお見せできるよう、勉強中です…(小声)。あ!僕、ピアノライブとかやりたいんです。ピアノ奏者の方と2人だけのしっとりとしたライブ。そして、全ステージ、タイトルを変えて。〝しっとりバラードライブ〟とか、〝ポップスライブ〟〝ド演歌ライブ〟……その場所その場所で、いろんなライブをやっていきたいです。1年通して、みんな笑顔! そしてハードル高いですが、ゴールドディスクを目指したいです」
■黙っていると物憂げに見えたり、少々近寄りがたく見えたりするが、「あははははは」と実に豪快な笑い方で、底抜けに明るい部分も。そしてその細い身体からは想像がつかないほど、たくさん食べる。「食べられなくなってきました。今は牛丼特盛3杯しか食べられないですもん。前は6杯が当たり前だったんですけど」と言うが、お蕎麦は2~3人前が当たり前。「とにかく唄っているときが一番楽しい。毎日唄っていたい」という歌・命の真田ナオキから、来年はうれしいお知らせが届くかもしれない。
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▲スタジオスタッフの愛犬・PEGGYちゃん※本インタビューは、「歌の手帖」2020年1月号収録の文章を当時のまま掲載しております