※本インタビューは、「歌の手帖」2017年6月号収録の文章を当時のまま掲載しております
純烈 夢現力で…!
踊って唄う、新たなスタイルのムード歌謡コーラスグループ・純烈。昨年秋口からの彼らの勢いたるや、まさに破竹の勢い。“スーパー銭湯アイドル”として各局ワイドショーやバラエティ番組にまで出演を果たし、一般誌や新聞にも大きく取り上げられ、追いかけるファンのみなさんも大忙しである。個性溢れる5人が歩むケモノ道。それはもう、ケモノ道という名の光り輝く純烈道 ─?
撮影/島﨑信一
(C)UTANOTECHO Inc.
後上翔太(ごがみ・しょうた)野球をこよなく愛する、コーラス担当。最年少にして、記憶力抜群のしっかり者。いつでも冷静沈着、分析能力にも長けている。打たれ強く、我慢強い。まわりをよく見る、気遣いの男。歌唱力もメキメキと上昇中
1986年10月23日生まれ
東京都出身
179センチ、O型
東京理科大学を中退して、純烈
に参加
2014年、舞台「RED―新説・垢太郎物語―」では主演を務めた。今年3月、東海テレビ「ショクバの王子様」出演
好きな食べ物/ステーキ(脂の少ないもの)
好きな香水/エゴイスト・プラチナム
リード曲『ふたりで一緒に暮らしましょう』(タイプA収録)
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酒井一圭(さかい・かずよし)純烈を作った、怖いもの知らずのリーダー。天性の閃きと発想力、トラブルやピンチに強い特異体質。元々はイケメンだが最近では、メタボリック代表と笑いをとる。甘い歌声での歌唱に、密かに胸をときめかすご婦人多発中
1975年6月20日生まれ
大阪府出身
186センチ、AB型
「逆転あばれはっちゃく」の5代目桜間長太郎、「百獣戦隊ガオレンジャー」の ガオブラック役ほか
好きな食べ物/女の人
好きな香水/香水はつけ
ず、アロマ派(グレープフル
ーツやラベンダー等の混合)
リード曲『大阪ロマン』(タイプA収録)
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友井雄亮(ともい・ゆうすけ)振り付け、コーラス担当。好きなことには200%、興味ないことは0%。曲がったことが大嫌い、明るい笑顔の情熱直球元気丸。気持ちをそのまま言葉にすることも多いが、現場の空気を察する力はピカイチ。上ふたりの毒舌を笑って諌める力も。キレの
いいエネルギッシュなダンスは、見ているだけで元気をもらえる
1980年4月2日生まれ、大阪府出身
178センチ、O型
「仮面ライダーアギト」のギルス役、NHKドラマ「ちりとてちん」の和田友春役ほか得意なダンスでも注目され、NHK「うたコン」に1人で出演しダンサーとして活躍
好きな食べ物/ナポリタン(特に銀座煉瓦亭)
好きな香水/IF
リード曲『純烈一途』(タイプB収録)
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白川裕二郎(しらかわ・ゆうじろう)自覚のない色男、リードボーカル。釣りが大好きで子供好き、料理上手。筋肉の美しさと少々エロいダンスは、えも言われぬ美しさ。時折、おかしな冗談を発したり、いたずらっ子な面もあるが声を荒げることのない、穏やかなジェントルマン。聴き心地バツグンのボーカルで魅了
1976年12月11日生まれ。神奈川県出身
184センチ、A型
元大相撲の力士(綱ノ富士)、「忍風戦隊ハリケンジャー」のカブトライジャー
役、ミュージカル「RENT」ほか。酒井とともに2人でラジオを出演したり、
番組の司会をすることも
好きな食べ物/ナマ物
好きな香水/ジミーチュウ、IF
リード曲『愛でしばりたい』(A面)
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小田井涼平(おだい・りょうへい)コーラス、純烈総務担当。繊細な気配りと、大胆な発想。2面性も魅力な最高峰・最年長。衣装のデザインや修復も手掛けるほど、手先が器用。ステージでは下ネタと、酒井とともに毒舌を吐くことも。小田井も、声を荒げることのない穏やかな紳士である。軽やかな歌唱からコミカル風、はたまた絶唱系と表情豊かに聴かせる
1971年2月23日生まれ、兵庫県出身
188センチ、A型
「仮面ライダー龍騎」のゾルダ役をはじめ出演作多数。3月25日公開の映画「仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」出演
好きな食べ物/ハンバーグ(つなぎ入り)
好きな香水/OYAZI5℃
リード曲『六本木は嫌い』(タイプB収録)
選んだ今キテるムード歌謡の世界~』(発売中)
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実感は…
■「夢は紅白! 親孝行!」
これが年前、リーダー酒井がメンバーを一人ひとり加入させるときに用いた口説き文句であり、純烈が掲げている大きな夢。そう、とてつもなく遠く、無謀な夢…それがどうだろう、一躍 “スーパー銭湯アイドル ”として話題となり、新曲『愛でしばりたい』がオリコン総合チャートのデイリーで1位、ウィークリーでも総合5位、演歌歌謡曲チャート1位という躍進ぶり。まさに快挙に次ぐ快挙な日々である。結成目、デビュー7年目で夢を “目標” に変えた人の現在の胸中とは …。
実感は…?
白川 実感は…ありません。もちろん、ファンの皆さんが喜んでくださっているのを見て、とてもうれしいですけども。
友井 ないよね。ただ、「COUNT DOWN TV」(TBS)に5位で出てきたのを見て、“ホンマなんや! ”と。
後上 僕は、オリコンさんの順位を見てうれしさが溢れました。思わずスクショ(画面を撮影すること)しましたし(笑)。
小田井 これはもう応援してくださっているファンの皆さんのお陰。もちろん、スタッフや関係者の皆さんのお力もあるし、僕たちだけでは到底、出来なかったこと。
酒井 メンバー全員、本当にファンの皆さんには “感謝”しかないよね。自分としては、実感…というより、ホッとしています。そしてもう次のことを考えていかなくてはいけない、喜んでばかりはいられない、という段階です。
つい2~3年前までバイトもしていたという…傍から見ると “苦労”されてきた訳ですが。
酒井 そうだね(笑)。ただ僕らは、目の前のお客さんに笑顔になっていただくためには、元気になっていただくためにはどうしたらいい?と考えつつ、ステージに立ってきましたから。バカ丸出しでただただ日々を懸命に生きていたら、今のありがたい形に繋がってきた、という。
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メガホンとスーツ
さて、絶好調の新曲『愛でしばりたい』ですが、今回は2タイプで発売。各カップリングではメンバーが其々ソロをとっています。まず、A面の『愛で~』、サラリーマンスーツの衣裳でメガホンを持って歌唱&小芝居風ダンスと、これまた純烈さんらしく概念を破るスタイル…この発想の元は?
酒井 ♪だか…というユニゾンで叫ぶところが、僕に“頑張”に聴こえてね。それでメガホンを使いたい、と。作詞作曲の段階からずーっと携わって併走していっている中で、ある日、ジャケット写真(Aタイプ)のイメージがバン!と浮かんできて。
友井 ソコ来たか?と思ったよね(笑)。
後上 メガホンですもんね、一応ムード歌謡グループのはず…(笑)。
酒井 今の時代にこんなバカなことを一生懸命やって、お前ら頑張れよ!というメッセージも含まれている…だから、この歌を通してお客さんと “頑張れ”“頑張ろう”とエールの交換が出来る気がして。
サラリーマンの服になったのは?
酒井 応援団とか学生服、という話からサラリーマン、朝の通勤ラッシュ、という流れになって。あ、俺それやったことあるな!と(笑)。
「WAY OUT」(※酒井主演のミュージカル)ですね。
小田井 メガホンが出来て、その瞬間に浮かんだのは、紳士服のCMをしている松岡修造さん。ファンの人から見ると(林田)達也がいない5人体制になってはじめての楽曲で、純烈は5人になって何をやってくれるんだろうなって、妙な期待があるんだろうな、と。それをいい意味で裏切ることが出来たらいいなぁって。そういう中で、これだったら…と。最初は、フレッシャーズのイメージだったんで、新入社員、心機一転 …リクルートスーツでやろうか、と。
酒井 そういえばデビュー曲『涙の銀座線』もそうだったからもう一度、1からスタートという意味で、スーツでいいんじゃない? これで決まったな、と。
白川さんの意見は?
白川 僕? いや、振り付けや衣裳に意見を出したことはないかなぁ。決まったことをやるのが当たり前だし、やらないとダメだよね。ただ、歌に影響してしまっては来てくださった方に失礼になるから、省いていくところも出てくるかな。
なぜ “小鹿”なんです?
白川 僕も喜多條忠先生に訊いたんですよ。そうしたら、 “そこまで訊いちゃう?”(笑)。“特に意味はない、楽しく唄えばいい”とのことでした。
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意味ない(笑)。それにしても、『愛でしばりたい』がああいう振り付けやMV(ミュージックビデオ)になるとは予想できなかったなぁと。
友井 俺らも誰も、予想してなかった(笑)。最初は、サビの振りを4種類くらい考えて …でも、聴けば聴くほど応援歌というか。応援ソングに聴こえて来たんです。
酒井 それは、聴いた人は最終的にみんなそう感じると思う。
小田井 いや、俺はそう感じなかったな。
白川 全然、思わなかったなぁ(笑)。
酒井 お前ら、なんやねん(笑)。
後上 ムード歌謡として聴くと思わないですけど、普通に聴いていると元気が出る歌だなぁと。
友井 酒井ちゃんが「WAY OUT」の衣装さんやスタッフさんに相談してOKが出た。俺も、振り付けの人にアイディアを相談して…みんなで話して作ったのが、あの形です。
小田井 サラリーマンの僕らが誰かを応援しにいく、という設定のMVですが、結局、みんな誰かのヒーローになりたいという部分もあるんじゃないですかね。そして、誰かを応援することで自分も助けられている部分もある、と。
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5色の純烈
新曲のAタイプには酒井さん『大阪ロマン』と、後上さんの『二人で一緒に暮らしましょう』を収録。カップリングで、白川さん以外がリードをとっていることに関しては?
白川 とてもいいと思う。みんな個性的だし、自分も後ろで踊ったり“めっめっ”(『純烈一途』)ってコーラスしたりするの、すごく楽しい(笑)。
友井 楽しそうだよね(笑)。『大阪ロマン』、ホンマに酒井ちゃんの声にぴったりやな。
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甘く切ないムード歌謡曲で、くり返すフレーズが印象的ですが、「あかん」は酒井さんのアイディアだとか?
酒井 (大谷)明裕先生のご自宅でキー合わせをしていたんですけど、その時 “あかん”ってどうです?と話して。その後、ディレクターさんが(渡辺)なつみ先生に伝えたところ、すぐ快諾くださったそうなんです。
後上さんは女歌ですね。哀しくいじらしい女心を乗せるムード歌謡で、故・中川博之先生の未発表曲。
後上 最初は、女歌 …どう唄えばいいんだろうって悩みました。ディレクターさんに “去年、コンサートで唄ってた『部屋とYシャツと私』が印象深くて、この歌を選んだんだよ”という話を聞いてから、合点がいきまして。あ!あの世界観でいいのか、と。
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そして、Bタイプには友井さん『純烈一途』と、小田井さんの『六本木は嫌い』。
友井 最初から最後まで瞳孔開きっぱなし!みたいな歌で、すっごい疲れるよ(笑)。ファンのみんなとタオルぐるぐる回して一つになれる歌。疲れるけど、爽快! 酒井ちゃんがいい歌詞を書いてくれたしね。
酒井 高取ヒデアキさんと相談しながらね。友井といえば目力だろう!と。そのフレーズは絶対入れたかった
小田井さんの『六本木~』も故・中川博之氏の未発表曲。刹那の恋に破れた女性を綴る歌詞ながら、キャッチーなサビが一瞬で胸を直撃します。
小田井 地名を“嫌い”って言いきるタイトル、斬新ですよね。そして、唄い出してすぐになぜ嫌いなのか、という理由も出て来る。どう唄おうか悩んだけど、軽めのあの声でいくしかないかな、と。まぁ、引き出し少ないんやけどね(笑)
楽しい振り付けは、小田井さんご自身が考案されたとか?
小田井 考案ってほどのものでもないけどね(笑)。こういう振りをやりたい、というパーツがいくつかあって。それを歌詞に当てはめていった、という作業です。
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愛とは…
スーパー銭湯アイドルと言われることは?
友井 うれしいですよ~!
後上 それは、うれしいですよね。健康センターは僕らのホームですから。
白川 自分たちがずっとやってきたことだし。
酒井 ニーズがあれば、全国的に展開していきたいよね。
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では、そんなこんなの2017年、後半の意気込みは?
酒井 急がば回れで、あせらない。自分たちのスタンプを満杯にしなくてはいけない、それはもう、コツコツとやっていくだけ。でも時にはね、 “スタンプ満杯なんす
わ”ってちょっとアピールするよ(笑)。でもある日、誰かがそれに気づいてくれて、なんとかしようよ!と声に出してくれる。ありがたいよね。
小田井 純粋に、元気もらいたいのよ!という方がいっぱいいらっしゃる。僕らの役割は、皆さんに元気になっていただくこと。僕らが頑張った分、癒されるのであれば、癒されていただきたいという気持ちでいっぱいです
友井 頑張り続ける、1個1個、とにかく今まで以上に、気を張ってやっていくこと。俺らは、 “がっつく”ところがないから、もっともっと力をつけていきたい。
後上 目の前に人を楽しんでもらって“また来よう率100%”にしたいんです。
白川 ニュートラルに、力を入れるところは入れて、抜くところは抜く…歌もスポーツも芝居も、力を入れ過ぎるとガチガチになるから。余裕を持てる心でいたいですね。不器用な人間なので、まわりの方々の力を借りながら、できることを100%出していける自分でい続けていきたい
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それでは最後に、皆さんにとって“愛”とは?
酒井 愛とは…難しいな…なんちゅうこと訊くねん(笑)。何で、愛? あ、新曲に引っかけてか! 誰や、そんなタイトルにしたのは(笑)。うー…“心の向き”。人に対してだけではなく、仕事や物にも。心の方向性を示す呼び方を愛というんじゃないかなぁ。命を顧みないことでもあるよね。愛がなかったらつまらなくなるし。
白川 愛の原動力は “喜ばれたいエネルギー”かな。僕は、自分の喜びよりも喜んでもらうほうがうれしい。人と人って、テトリスみたいに凹んだところを埋めあったりするものだと思うし。純烈の5人もそうだよね。
後上 確かに、個性バラバラですもんね(笑)。バラバラだからこそ、補えあえたり助け合えるんだと思います。愛とは…無償のもの、誰かを愛する時、何の見返りも求め
ない。尊くて、ありがたいことです。
酒井 愛を知らない男が何か言ってますよ(笑)。
後上 知ってる知ってる、愛くらい知ってますよ(笑)。いやしかし、愛は難しいですね、ユウスケさん。
友井 そやね…愛とは、強くなれるもの、やさしくなれるもの。恋愛だけではなくて親子愛、友人愛、全部。俺さ、どんな人でも “好きになれる部分”を探すんだよね。人を嫌いになりたくないから。
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酒井 ではラスト、小田井さんシメてください。
小田井 愛とは…宇宙。無酸素状態で息苦しいもの。
友井 おー、キタコレ。
後上 さすがですね。
白川 深いなぁ。
酒井 どんな顔して言っとんねん。こんな純烈ですが、今後ともよろしくお願いいたします。歌の手帖さんのベスト歌手ランキング2位、本当にうれしかったです。応援ハガキ、引き続きよろしくね(笑)。
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■食事関係で一番声を上げるのは友井、しかも「中華料理!」が多いとか(笑)。何でも出されたものをいただくのは、酒井。マイペースなのが白川。そして小さな声でゴネるのは後上と小田井だとか。同じ部屋でぞれぞれに違うことをしていても黙っていても、その空気感はいつも軽い。仲がいいというかもう “いて当たり前”な関係なのだろう。注目を浴びても浮き足立つことなく、一日一日を必死に、コツコツと頑張っている彼ら。見た目から少々誤解を受けやすいが、ボイストレーニングに通ったり空き時間でも歌を覚えたり、振りの練習をしたりと、超がつくほど真面目な努力家でもある。がむしゃらに目の前のことに全力を尽くしてきた純烈、夢を現実にする力を身に着けた今 …でっかい光を掴む日は近いのか─。
▼2月28日、東京・椿山荘でのディナーショーにて
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▼ホームの1つ、埼玉・草加健康センターにて
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▼『愛でしばりたい』発売日(3月14日)、東京・ららぽーと豊洲にて記念ライブ。これが、新曲の衣装
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▼地上波のバラエティ番組に初出演!
TBS「ジョブチューン」(3月11日放送)
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▼3月20日、大阪・箕面スパーガーデンにて。純烈の名が入った幕が新たに作られていた
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▼3月5日、東京・グランドキャバレー「レディタウン」にて。ムード歌謡界のレジェ
ンド・マヒナスターズからムード歌謡の後継者としてバトンを受け取り「感無量」
©TBS
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※本インタビューは、「歌の手帖」2017年6月号収録の文章を当時のまま掲載しております
このインタビュー内で紹介している楽曲
『愛でしばりたい』
▼楽曲はこちらのオフィシャルサイトで購入頂けます
クラウン徳間ミュージックショップ(純烈)
▼オフィシャルサイト
純烈 Official Website
レコード会社オフィシャルサイト(日本クラウン株式会社)