（C）UTANOTECHO Inc.
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※本インタビューは、「歌の手帖」2019年8月号収録の文章を当時のまま掲載しております
出来ないのに、やる
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昨年末のＮＨＫ紅白歌合戦に念願の初出場、各地でお祝いムード最高潮な最中に起きた、メンバー脱退…。グループ存続の危機もあったが小林幸子、前川清といった大先輩方、歌仲間たち、各地の現場スタッフ、番組関係者─多くの方々が彼らに手を差し伸べ、力を貸し、助けてくれた。そして、ファンの方々の熱烈な応援と後押し。それは、〝チーム純烈〞の人柄、雑草のように根強く頑張ってきた姿があるからこそ、であろう。撮影／島崎信一
コンサートツアーも好調、新曲『純烈のハッピーバースデー』はオリコン総合チャート初登場３位と、純烈史上最高のスタートとなりました。
酒井 ありがとうございます。まだまだな僕らだけど、皆さんの応援のお陰ですよ。ホンマにありがとうございます。
ＭＶ（ミュージック・ビデオ）では、驚きの爆発シーンあり、民家や銭湯での場面もあり、ファンの方々が参加してのシーンあり…。
後上 ヌードもあり（笑）。
そうですね（笑）。そもそも『純烈のハッピーバースデー』のＭＶなのに、なぜ爆発？
酒井 これはですね、〝誕生日を祝う〞という括りなんです。
後上 （マネージャーの）山本さん扮する悪の軍団の中のひとりが誕生日、ということで。
白川 悪者だからね、お祝いして貰えないでしょ？ だから僕たちがお祝いするよ、と。
後上 おめでとう！ どかーん！！
ファンの方々に協力いただいた場面では、全員集合でした。
小田井 コンサートツアーで演奏してくださっているミュージシャンの方々にも、出演していただいて。
酒井 ５人から４人になって…「心配いらないよ」という元気なものにしたいと。それで、爆発。すべてを吹っ飛ばすという。ＭＶではそんなテーマが俺の中にあった。純烈のハッピーさを全面に出して。
振り付けは、DA PUMPのＴＯＭＯさんとＵ│ＹＥＡＨさん。そういえば、純烈さんの東京国際フォーラムでのコンサート（７月号に掲載）にDA PUMPのおふたりが来てくださいましたが、後で「出来ない振りを出来ないままやるんだ！」と驚かれていたそうですね（笑）。
後上 あの振りですよね、足を曲げて片足ずつ上げる…名前あると思うんですけど、わからないです（笑）。もともとDA PUMPさんの『U.S.A.』にも入っていた振りで。
酒井 最初、おふたりにお会いした時〝俺らがいかに出来ないか〞ということをお見せしたいので、『U.S.A.』の中のちょっとしたダンスを教えてください、と。右、左、といいながらあの振りを教えてくれて、一生懸命やったんだけど、ものの見事に出来なかった。
小田井 本当に、全然出来なかったですよ。
酒井 それを見たＵ│ＹＥＡＨさん、「マジやばいっすね、あはははは」って。でも、彼らもトンチが効くので、振り渡しの時に「例のアレ、入りますんで」って言いだして（笑）。
後上 「出来ないなら削るでしょ」と、Ｕ│ＹＥＡＨさんたちも思っていたみたいで。
酒井 俺らは、せっかくいただいた振りだから、そのまま行きましょう！と。大体、あの振りを削ったら何入れんの？って（笑）。代わりの振りなんて考えられないんだから。それと、俺の中では、どちらかと言うと出来ないものを率先して見せたい、というのがあるのよ。
後上 ヨチヨチなところを（笑）。
白川 出来るもの、それがすべていいのかということもあるし。
酒井 出来なくたって、笑顔になってもらったり楽しい気持ちになってもらえるはずだって。それを証明するために、俺は純烈をやってるんですよね。
白川 〝ハッピーチョキチョキダンス〞は、客席のみんなと出来て楽しいよね。
エネルギーを
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大変伺いにくいのですが、１月のこと、友井さんのこと、思い出しますか。
酒井 思い出すよ、しょっちゅう。やっぱり、俺が日本で一番考えてるんだけど、話を進めていったり、物事をジャッジするときに、必ず（あの時に）戻るんです。何があって、今こうなっているのか…と。何が起きてどうなっているのか、一々確認する、飛ばさない。
何があったか分かった気にならない。小林幸子さん、前川清さん…助けてくださった、手を差し伸べてくださった方々のこと、お一人ずつ思い出しています。
小田井 結局、僕ら以上にまわりの方々が聞きたがるのでね。番組に呼んでいただいたりした時に。おのずと、いろんな角度から思い出します。僕の目線、グループとしての目線、ファンの方々からの目線、クライアントさんから見たもの…。
白川 僕も思い出すよね、やっぱり。５人で紅白に出させてもらっての『プロポーズ』だったし。10年以上、ずっと一緒だったから。雄亮だったら、どんな風に振り付けしたかなぁ…とか考えるし。
酒井 白川はピュアだから。俺の言うことはきかなくていいけど、山本さんとか後上、小田井さんの言うことは絶対に聞いたほうがいい（笑）。
白川 そうだね、そうする（笑）。
酒井 友井は友井でしっかり反省して償って、生きていく。でもね、ステージ上の友井っていうのは散ったんだけど、彼のエネルギー、熱量は今も俺たちに注いでくれてる。そう思ってるよ。
歌の情景
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ソロ曲を唄うことが増えましたが、それぞれ、唄っている時は歌の情景を浮かべますか？
白川 あまり情景は浮かばないかな。唄う時は、いつも円を描いている。自分の前方にね。丸くまるく。幸（耕平）先生がよくおっしゃるんです、「カクカク唄ってんじゃねぇよ」って。まだ、歌の情景を浮かべる余裕はないかなぁ。
後上 唄っている時は…歌の情景というより、客席を見ることが多いです、ここ１年くらい。空気の色とか、表情とか。
小田井 歌が好きだし、根底にあるものが〝誰かひとりでもいいから喜んでもらいたい〞という気持ち。歌でも、芝居でも。うまく唄うより、これを唄うと喜んでもらえるかな？と。俺の中でおもしろい歌は、おもしろく唄おうと。あ、あと。最近は、踊るのも楽しくなってきたよ（笑）。ツアーはずっとバンドさんが一緒だしね。生演奏はいいよ。
酒井 僕は、情景派。『大阪ロマン』だと、大体、女の人が3人いて。
唄い出しで、〝あ、今日はこのコだ！〞とその３人のうちのひとりが出てくる。同じ夢を見るのと同じでね。
歌を完成させよう、うまく唄おうなんてことはなくて。歌は、難しいよね。自分に限っては間違いなく、ラウンド中が一番うまい（笑）。
泣けた
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それぞれの活動も増え、ＮＨＫ「うたコン」にも５月２１日、来ました。新曲のラストでリーダーが泣いていたので…。
酒井 もう、泣いてしまったよね。リハーサルの時にもね、「純烈さんです！ お帰りなさい！」と言ってもらえて。
撮っていた番組がお蔵入りになってしまったり、たくさんご迷惑をおかけしたんです。それなのに、あたたかく迎えてくださった。感謝しかないです。
白川 僕も泣きそうだったけど、客席のファンの方の涙を見て堪えることが出来ました。スタッフの皆さん、そしてずっと応援を続けてくれたファンのみんなのお陰です。本当にありがとう。
後上 嬉しかったですよね。みんなのペンライトがワーッと揺れていて、ああ帰って来られたんだなって。感激しました。
小田井 本当に、「ありがとう」以上に、ありがとうです。実は、ひな壇にいる時にひっそり泣いてしまったんです。自分たちの歌を唄えたことがありがたかった。あと、ももクロ（ももいろクローバーＺ）ちゃんたちとも一緒だったから元気を貰えました（笑）。
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後上翔太（ごがみ・しょうた）
コーラス担当
純烈唯一、芸歴ゼロからスタートした理論派・知性派
記憶力・計算力もメンバー随一。野球（ジャイアンツ）好き
1986年10月23日生まれ、東京都出身、179センチ、Ｏ型
東京理科大学を中退して、純烈に参加
2014年、舞台「RED─新説・垢太郎物語─」では主演を務めた
トーク回しや歌の煽りも抜群、「翔ちゃん」コール増加中
単独でクイズ番組に出演、年内には素晴らしい活躍を見せるかも
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酒井一圭（さかい・かずよし）
純烈を作ったリーダー
ピンチをチャンスにする天才。苦難からも逃げず、飄々と戦う男
冷静でありつつ、情に厚く涙もろいところも魅力
1975年６月20日生まれ。大阪府出身、186センチ、ＡＢ型
「逆転あばれはっちゃく」の５代目桜間長太郎役、「百獣戦隊ガオレンジャー」の ガオブラック役ほか『しのび哀』『愛が裁かれるとき』『純烈一途』などの作詞も手掛ける
甘いボーカルでのソロ曲は必聴。バラエティ番組や得意の競馬方面でも活躍中
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小田井涼平（おだい・りょうへい）
コーラス、純烈総務担当
マニアックな知識を豊富に持つ、ジェントルマン
気配り・気遣いの王様でもあり、手先も器用で絵や縫物が得意
1971年2月23日生まれ、兵庫県出身、188センチ、A型
「仮面ライダー龍騎」のゾルダ役をはじめ出演作多数
空間を埋めるようなダイナミックなダンスに視線集中
辛口混じりの愛ある軽妙なトークも人気。ニュースバラエティ番組に単独出演
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白川裕二郎（しらかわ・ゆうじろう）
リードボーカル
常に努力を怠らない、ストイックなまでの真面目さと天然ともいえるオトボケぶりは天下一品
1976年12月11日生まれ。神奈川県出身、184センチ、A型
元大相撲の力士（綱ノ富士）、「忍風戦隊ハリケンジャー」のカブトライジャー役、ミュージカル「RENT」ほか柔らかな低音で心地よく聴かせてくれる歌の数々。ポップスでは違った声色も
指先からつま先まで美しいポーズやダンスでも魅了。大好きな釣りの番組に単独出演
奇跡へ
このままずっと、一生、おかしくて楽しい人たちでいて欲しいし、ゆくゆくは日本を代表するグループになって欲しいです。
酒井 うわ、それはどうやろ…なれたらいいけどなぁ。
ということで、最後に、残り半年ですが令和元年にかける思いを漢字一文字でお願いします。
酒井 虹。雨降った後の虹を、年末にお見せしましょう、皆さまに。虹はさ、すぐに消えちゃうけどそれがいいの。〝君にもし嫌なことがあったとしても、虹を描くことが出来るんだぞ〞というメッセージです。
白川 輝。これから、４人でも輝き続けましょう。
小田井 買。端的な理由は、新曲を発売したんで（笑）。というのと、〝四〞が入っているし、昔のお金の単位は〝貝〞だったでしょ。あと、４つの目で末広がり。遠くから見ると、人が立っているようにも見える。なかなかに意味が深いんですよ。
酒井 そして、逆さにするとね…うーん…（笑）。
小田井 何や、思いついてなかったんかい（笑）。
後上 いいこと言うのかと。
白川 （笑）。翔太は？
後上 旅。忙しくさせてもらっているし、目指す場所へ旅を…。常に歩いているし、今どこを歩いているか気にして行こうと。
ありがとうございます。リーダーがコンサートで言っていた「２年連続の紅白を目指します。奇跡の道を一緒に歩きませんか」がとても印象的でした。
後上 言ってた（笑）。
酒井 そんなこと言ってたか（笑）。
でも本当に、今年も出られたら奇跡だと思う。…奇跡だよね。
編集後記
■新たなことに次々と挑戦してきた彼ら。ここからの活動が歌謡界の新たな伝説となるか、それとも…。
〝辛い時こそ、笑顔〞がモットーな彼らとまわりの方々やファンとの絆で、誰も歩いていない真っ白に輝く道へ…そんなジャパニーズドリームを築いていくことに心からの期待を。
■新曲『純烈のハッピーバースデー』（作詞＆作曲＝幸耕平、編曲＝相川等・幸耕平、ストリングス・アレンジ＝加藤JOE／５月15日発売／楽譜は6月号に掲載）。ラテンミュージックの日本最高峰ミュージシャンを集結してのレコーディング。ハッピーなサウンドに、覚えやすいメロディ、歌詞と楽しい振り付けで、幅広い年代の定番誕生日ソングになりそう。
■純烈プロフィール＝下積み期間３年を経て、2010年６月23日『涙の銀座線』でデビュー。以降、『キサス・キサス東京』『恋は青いバラ』『スターライト札幌』『星降る夜のサンバ』『今夜はドラマチック』『幸福あそび』『愛でしばりたい』『プロポーズ』、新曲『純烈のハッピーバースデー』は２タイプでのリリースで、カップリングはAタイプ『そっと涙のラプソディ』、Bタイプ『ジグザグ』ともに松井五郎氏が作詞を手掛けた（作曲はA面と同じく幸耕平氏）。2018年のNHK「第69回紅白歌合戦」に初出場
※本インタビューは、「歌の手帖」2019年8月号収録の文章を当時のまま掲載しております
このインタビュー内で紹介している楽曲
『純烈のハッピーバースデー』
▼楽曲はこちらのオフィシャルサイトで購入頂けます
クラウン徳間ミュージックショップ（純烈）
▼オフィシャルサイト
純烈 Official Website
レコード会社オフィシャルサイト（日本クラウン株式会社）
